自己紹介&受験の背景

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はじめに

 初めまして、このたび令和3年度 東京工業大学 システム制御系に合格しました。この記事では僕自身のプロフィールや東工大を目指した経緯などについて書きたいと思います。

目次

プロフィール

 有明高専は僕の代からカリキュラムが大きく変わり、入学時に全員創造工学科へ進学し、2年生の後期に進振り制度によって成績順に各コースに配属されます。1年次の順位が上のようになっているのはそのためです。

 授業はとりあえずノートだけはとっておいて、テスト1週間前くらいから理解し始める感じです。受験勉強を始めたのは5年の4月からでそれまでは部活をしたり、遊んだりしていました。

受験校

第1希望 東工大 工学院 システム制御系 合格

第2希望 有明高専 専攻科 合格

第3希望 九工大 情報工学不合格

 九工大に落ちて東工大に受かるのは難易度の面で普通逆なので先生もかなり驚いていました。九工大は今年のコロナウイルスの影響で書類審査だけになり、自己申告書を提出しなければならなかったのですが、送った後に見返すと誤字があったのでそれが原因で落とされたかなという感じです。

東工大を目指す決断に至るまで

4年の夏までは就職希望

 4年次の最終成績は7位だったのですが、前期中間は17位だったので自分の成績・学力で進学することは厳しいと思っていました。しかし次の前期末はいきなり6位に上がり、このときから進学も視野に入るようになりました。そして夏休み中のインターンシップを経て、自分の働くイメージと差があったので進学したいと思うようになりました。進学を意識し始めたといってもぼんやりしたもので、とりあえずクラス1桁は維持しようといった感じでした。

高専祭の準備・部活動・課題に追われる日々

 後期から忙しさが増していきました。他の編入体験記ではこの時期あたりから「○○大学を意識して~」「周りが勉強し始めて~」など書いてありますが、有明高専編入に関する情報が圧倒的に少なく、進学説明会などもなかったので編入に向けて何かしらの行動を始めるということは全くありませんでした。他高専編入を狙うの人が勉強を始める中、ただ時間だけが過ぎていきました。

春休みに入り将来と向き合い始める

 多くの行事の区切りがつき、今まで後回しにしてきた進路について考えるざるを得なくなりました。しかし2月までは普通に遊んでいて、3月に入ってから初めて編入体験記を検索し始めましたが、僕はそのとき目を疑いました。いくら調べても「3年の頃から勉強していました」「他の人よりも遅いですが4年の夏から始めました」と書かれているものばかりだったからです。旧帝クラスでは遅くとも4年から始めた人ばかりで、元から編入目的で高専に入学し、もっと早い段階で準備をしている人もいました。僕はこのとき初めて自分の将来から逃げ続けきたことを本当に後悔しました。残念ながら時間は戻せないので、残った時間を使って真剣に自分の進路と向き合い始めました。

最初は九工大が第1志望

 いろいろ考えた結果、ロボットに携わる仕事に就きたかったこと・推薦で受けれることの2つが重なった九工大の推薦入試を受けようと思いました。熊大は上位15%なので自分のクラスでは6位以上でないと推薦入試を受けれませんでしたが、九工大の推薦に関しては順位の指定がないので推薦をもらえることが出来ました。またクラス1位の友人が九大の航空宇宙の推薦を受けるということをこの時期に知りました。彼は常に成績トップをキープしていながら、留学生との交流やボランティアなど課外活動もたくさんやっていました。それと比べて4年次にやっと1桁に入り、部活動しかやってこなかった自分がこのように進学先で差がつくというのは妥当で、今までの高専生活の報いだと思っていました。  

志望校の決め方に疑問を抱き始める

 いったんは九工大を第1志望に決めましたが、推薦入試を受けれるか否かで判断していたことに対して徐々に心の中で「これで良かったのか...」と思うようになりました。上記のように僕はロボットに関する仕事がしたいと書きましたが、宇宙系の仕事もやってみたいと思っていました。(九工大は工学部に宇宙システム工学科があり実はそれと締切ぎりぎりまで迷っていた) また九大の試験日は8月の下旬なので、今からでも死ぬ気で勉強すればいけるかもしれないと思って勉強を始めました。なにより今まで何も行動せずに後悔したので、やれるだけやってやろうという気持ちで始めました。

第1志望を九大に変更

 4月に入り本来なら学校が始まるタイミングですが、今年はコロナの影響で休みになりました。その間に僕は九工大の推薦を取り消し、九大の航空宇宙コースの一般試験を受けることを決めました。僕が受験勉強を始めたのはこの時期からで、九大の推薦を受ける友人と一緒に対策を始めました。僕はせっかく九大の一般を受けるなら他の大学も併願したほうがいいと思い、九大と科目が多くかぶるような大学を探し始めました。そしてその中でTKenさんの編入体験記に出会いました。その方は東工大・東北大・九大・専攻科のすべてに合格し、東工大へ進学された方です。これと同様にHatena Blogで編入体験記を書かれているので是非参考にしてみてください!

kosenhennyu.hatenablog.jp

東工大説明会を思い出す

 少し遡りますが、僕は4年生の冬頃に学校内で開かれた東工大説明会に参加していました。クラス2人が申し込んでいましたが、当日に1人がバイトでいけなくなり、たまたま教室にいた僕が誘われて参加することになりました。率直な感想としてはやっぱりレベルが桁違いで、自分みたいな人間とは縁がない大学だと感じました。説明会中はまともに資料を見ることなく、ひたすら眠気に耐えて時間を過ごし、資料を家に持ち帰っても結局開くことはありませんでした。

東工大が初めて視野に入る

 九大の勉強に励む中で九大と東工大の受験科目が同じだと知り、初めて持ち帰ったパンフレットを開きました。めちゃくちゃかっこ良かったです。まさに”最先端の大学”という感じで自分もここに通えるならどんなに楽しいだろうかと思っていました。しかし、詳しく調べると九大と東工大は科目が一緒でも出題範囲がかなり異なっているということが分かりました。そのため今からの勉強量でこの2つを受験したところで両方落ちる可能性が高いと思い、どちらか1つに絞ろうと思いました。

大受験を諦め、東工大に絞る

 6月に入り緊急事態宣言が解除された後、分散登校が始まったタイミングで僕は東工大に絞ることを決意しました。そして落ちたら専攻科へ進学し、大学院試でまたチャレンジしようと思っていました。ただでさえ情報が少ない高専で、さらに勉強を始めるタイミングが遅かったこともあり、自分でも合格は厳しいと感じていました。しかし、大学編入はあくまでも1つの課程で、失敗してもまた大学院試でチャレンジすることが出来ます。「今からやっても遅い」ではなく「今から必死に努力すればまだワンチャンある!」と思って対策を始めました。

終わりに

 いかかがだったでしょうか。私情の部分も詳しく書いていますが、みなさんの参考になれば幸いです。また別の記事も書いているのでそちらも是非見てみてください。

今日も勉強を頑張る君へ

はじめに

みなさんお久しぶりです。前回の投稿から約9ヶ月が経過し、今は学内の図書館でこの記事を書いています。累計閲覧数は2000を超え「東工大 編入体験記」と検索すると1番上に自分の記事が出てくるようになりました。まさかここまでくるとは思いませんでしたが、多くの人に見られて嬉しいです。

さて、実は先日点数開示の結果が届いたのでそれについての記事を投稿しました。 ariake-kosen.hatenablog.com
それと同時に去年の今頃、受験勉強にラストスパートをかけていた頃を思い出したので、受験生向けにモチベが上がるような記事をまた書きました。少しでも助けになれば幸いです。

進撃の巨人 97話


受験勉強は本当に地獄です。2日間の試験のためにだけにひたすら勉強に時間を捧げないといけません。でも東工大を目指すということはこうゆうことが伴うと分かりきっているはずです。

皆さんが地獄に足を突っ込んだ理由はなんですか?

もし普通高校へ進学していたら「周りが行くから」「親に言われたから」という他人や環境に強制され、当たり前のように大学受験をすると思います。しかし、みなさんは高専生です。就職を選び春ごろには就活を終え、後は遊んで過ごす人が大半のはずです。

そのような環境でなお、東工大を目指し勉強する皆さんにはこの地獄の先にある何かを見据えてほしいです。僕が地獄を進み続けてきた結果、見えてきたことが1つあります。

それは自分で自分の背中を押し、地獄に足を突っ込む決断ができる人はほんの一握りしかいないということです。僕は東工大の生命理工以外は一般試験しかないと知った時から、熊大の推薦すらもらえない自分でも対等に勝負できるなら、このチャンスを逃すわけにはいかないと燃えていました。しかし周りの進学組は特に興味を持つことなく、ほとんどが専攻科へ進みました。専攻科を悪くいうつもりはありませんが「専攻科にいきたい」ではなく「専攻科でいいか」という人がほとんどだったことから察してもらえると思います。

彼らは友達だったけど仲間ではありませんでした

しかし今は友達であり仲間である人に出会うことができました東工大は本当に周りのレベルが高くて僕はついていくのに精一杯ですが、この異分野編入で学びたい学問を勉強できることがとても嬉しいです。毎日多くの刺激をもらって自分も努力しようというきっかけを与えてくれます。

受験勉強は本当に苦しいと思いますが、逆にその地獄を味わえるのは今しかないです。どうせ味わうんだったら、その先の何かを見いだしてみませんか?

進撃の巨人 20話


受験勉強はとにかく時間との勝負だと思います。その時間を確保するためには多くを捨てなければなりません。自分の時間、友人との時間、家族との時間、そして恋人との時間、皆さんはこれまでにどれだけの時間を犠牲にしてきましたか。大事なものを捨てることができたなら、きっと何かを変えられるはずです

そして犠牲にしてきたものが多いほど自信に繋がります。僕はボールペンを使って勉強をしていたのですが、使い切ったものは必ず同じ机の引き出しに入れていました。そして試験日が近づき、緊張や不安に襲われるたびに僕は一面真っ黒になった引き出しを開けて「これだけやったら大丈夫」と気持ちを強く持っていました。日頃の勉強の成果や記録を目に見える形に残すことは大事だと思います。

もし早くから編入を目指し、このブログに行き着いた方からすると受験はまだ先のことだと思うかもしれません。しかし、改めて伝えたいのは受験当日は必ずやってくるということです。当たり前の話ですが、時間が経つのは本当に早いです。受験勉強中はこの生活が一生続くような感覚になりますが、必ずその日がやってきます。

そして全受験生が「もっと時間があったら…」と思っています。完璧な状態で受験ができる人はほとんどいないでしょう。不完全な状態、限られた時間の中でいかに最大のパフォーマンスを出せるかどうかにかかっています。しかし、その最大を出せても合格できるかどうかは分かりません。そして仮に100人合格できる枠があったとして、100位で受かった人と101位で落ちた人に大きな差があるでしょうか。受験には運の要素も関わってきます。これをどのように受け止めるかは人それぞれだと思いますが、努力でその運の要素を減らすことはできるはずです

別に人間性をも捨てる必要はありません。受験に失敗したら巨人に喰われて死ぬ… なんてことはないですよね。受かろうが落ちようがその後の人生はずっと続きます。後悔しない選択をしてください。

今日も勉強を頑張る君へ

去年の今頃に1度泣いたことを思い出しました。泣いたと言っても不意に目頭が熱くなって、ただ単に涙が頬を伝っていくだけです。特に感情もなくて「ああ、なんか涙出てきた…」という感じです。授業中は内職し、昼休みはヨビノリを見ながら昼食を食べ、誰も残っていない研究室で21時まで残ってひたすら勉強。そんな毎日を送ってたらまあ当然かもしれません。

今は精神的に辛いかもしれませんが、試験当日に最大限の力が出せるよう祈っています。



追記

これらの動画も活用してみてください

はなおでんがん「受験生励まし動画」



約1時間くらいありますが、動画の内容を覚えるくらい勉強中に聞き流してました。内容はサムネの通り受験生に喝を入れる動画で、真冬の中で寒さに耐えながら激励してくれます。8割くらいはふざけてますが、残りの2割くらいはガチで参考になることを言ってます(笑)

ボカロ「妄想税」


みなさんは成功体験を妄想することはありますか?僕はめちゃくちゃあります(笑)東工大に受かった時の周りの反応やその後の大学生活などを妄想しては勉強のモチベーションにしてました。ところでなぜこのボカロを持ってきたのかというと、妄想するとこの歌詞が思い浮かぶからです。

あの子もいいな あの子もいいな
頭の中で イイコトしてる
あなたはそれで満足ですか?
叶えたいとは思いませんか?

こんな感じで煽ってきます(笑)まあ妄想する暇あったら手を動かせっていう話ですよね。ボカロ自体はほとんど聞いていなかったのですが、この歌だけは受験期に何回も聴いていました。そしてその度に「絶対に合格して現実にしてやる」という気持ちに持っていってました。

もちまる日記


9ヶ月前は登録者20万くらいだったんですが、今ではなんと120万を超えています。まさかみてない人はいませんよね?見てない人は怒らないのでとりあえず見てください。

僕が合格した点数を発表します

はじめに

 突然ですが僕は何点で受かったと思いますか。最低でも240点くらいと思ったそこの君!甘いです。

開示結果

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「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・ん?」

開示結果について

 みなさんお久しぶりです。最近時間ができたのでこれを含めて2つの記事を投稿しました。正直もう一方の「今日も勉強を頑張る君へ」の方が力を入れているのでそっちを読んでくれると嬉しいです。

さて、先日点数開示をしたのですが……いやーこの点で受かるんですね(笑)まさか噂のボーダー240点に全然足りてないとは(笑)
確か200点ちょっとで受かった人もいると書いてある記事もありましたが、まさか自分も同じような運命を辿るとは思いませんでした。

過去の記事で各教科の手応えを書いたんですけど軒並み的外れなんですよね(笑)数学が9割で他の3教科は6割ぐらいとか書いてた自分が恥ずかしい
 
まあポジティブに考えると、自分の手応えでは合格したも同然だと思ってたので、面接でかなり自信を持って回答できたんですよね。あり得ませんが、面接前に「あなたは204点でしたよ」て聞かされたとしたら…多分ハキハキ答えられないと思います。

終わりに

勉強期間が半年弱だったんでもっと早くから固めていた人には及ばない点数だと思いました。ほんとに偶然噛み合ったていう感じですね。

結果的には合格しましたが、蓋を開けてみると本当にギリギリの戦いだったこと分かりました。みなさんはもっと余裕を持って合格してほしいです。そしていくら不安になっても、手応えを感じれなくても、このようにワンチャンあるのでもう少しだけ頑張ってみてください。

なんで、私が東工大に!?

はじめに

 みなさんこんにちは。突然ですが、僕は受験時に毎日10時間勉強をしていて、登校日は実験などを除いたほぼすべての授業で内職をしていたので平日も毎日同じ時間勉強をしていました。この字面だけみると「頭が違う」「天才」とか思う人がいるかもしれませんが、僕は全くそうは思っていません。なぜなら僕は毎日10時間の勉強を続けられた理由を説明できるからです。ここでは自分が勉強のモチベーションの維持を維持できた要因について書いていきたいと思います。

目次

周囲の環境

 「受験は団体戦」というフレーズを耳にしたことがあると思います。しかし合否はその人の学力で決まるので、結局受験は個人戦だと僕は思っていました。それ自体は紛れもない事実なのですが、これは半分正解で半分間違いです。要するに受験は「団体戦」と「個人戦」の両方の面を持っていると言うことです。

 今から自分語りをします。僕の高専はクラスの7割以上が就職で、進学する人でも大部分が専攻科に進みます。過去問の解答例も編入説明会もなく情報面で圧倒的に不利でしたが、今思えば僕は周りの友人やクラスの人には恵まれていました。東工大を目指すという話をして否定的なことを言う人は1人もおらず、提出物は毎回誰かがみせてくれたので授業中はひたすら受験勉強に専念することが出来ていました。受験が近づき毎日研究室に残って勉強していたときは、ジュースやお菓子を差し入れしてくれる人もいました。

 受験において1人で勉強を続けることはつらく、僕の高専で他に東工大を受験する人はいなかったため、孤独を感じることが多かったです。しかし、九大受験が終わった友人が東工大受験日まで毎日同じ研究室に残って作業をしてくれていたことに僕は救われました。またその友人は早い段階から動いていて、東工大の過去問10年分+解答例のデータをもっていたので本当に助かりました。受験は自分1人だけでは絶対に勝てません。どんどん周りを巻き込んで頼るようにしましょう。僕も最初は先生や友人に頼ることをためらっていましたが、1回頼った後はもっと早くすれば良かったと後悔していました。そして受験に向かって必死に努力していれば、いずれ周りの反応も大きく変わってくるはずです。

モチベが上がるYouTube・書籍を紹介

   周囲の環境について書きましたが、これは住む地域や高専ごとに大きな格差があるということは紛れもない事実です。そしてこれらを今すぐに変えることは難しいでしょう。以下に書くコンテンツは僕が受験期に活用していたもので、これで勉強のモチベーションを維持していました。是非参考にしてください。

YouTube

  • PASSLAB 東大受験のリアル

youtu.be

 香川県の公立高校から現役で東京大学 理科Ⅱ類に合格した宇佐見 すばるさんが”受験のリアル”を話している動画です。僕は東大生は元から頭が優れている人だと思っていましたが、この動画ではそのイメージとは全く異なる”リアル”を見ることができます。宇佐見さんは公立高校に最下位の成績で入学するもそこから受験戦略を立てて勉強し、その高校”唯一の東大受験者”にして”唯一の東大合格者”になられた方です。そして東大卒業後は研究者の道ではなく、教育者の道へ進み「地方と都会の教育格差をなくす」ためにYouTubeや書籍などで情報を発信し続けています。ちなみにPASSLABは宇佐見さんを含めた4人のメンバーで構成され、毎日受験生向けの動画を上げています。

 この動画を見て、僕はすばるさんの境遇と自分の境遇を重ねるようになりました。同じような状況で、これだけの努力してきた人の話を聞いて、自分も諦めずにチャレンジしようと思うようになりました。動画時間は1時間近くありますが、話自体が面白かったのであっという間でした。僕の人生を変えた動画といっても過言ではないので見てみてください。


 この動画の西野さんはかつてキリギリスの格好をし、バラエティに出ていた姿からは想像も出来ないほどかっこいいです。そして絵本作家という肩書きをもちながらクラウドファンディング・オンラインサロンなど常に新しいことにチャレンジし続けています。そして驚くべきことにこれらの収益が安定したところで、突然美術館を建てるために3億円の借金をしました。西野さんいわく「自分は追い込まれた方が成功できるから」という理由でやったそうです。

 僕は受験期に教室でも研究室でも、常に勉強していました。その様子を見て「どうやったらそんなにずっと勉強できるの?」とよく言われていました。僕なりの答えは「そうせざるを得ないから」です。

 一時期僕は九大を併願するかどうか迷っていました。なぜなら東工大に落ちたときに「九大も受けとけば良かった」と後悔すると思ったからです。しかし僕は「併願しなかったら受かったかもしれない」と後悔する方が何倍も嫌だったので、結局併願しませんでした。この選択で自分は本当に追い込まれ、自分でも驚くぐらいの勉強量をこなすことができました。

 自ら自分を窮地に追いやることはなかなか出来ることではないと思いますが、この動画を見てその決断に踏み切ることが出来ました。西野さんの失敗に対する考え方は斬新で面白いのでチェックしてみてください。  

書籍

  • 河野 玄斗 シンプルな勉強法 (1400円+税)

「1000時間勉強して将来の年収が100万円上がる場合、勉強の時給は4万円になるよ。なんでみんなそんなに勉強しないの?」というフレーズを聞いたことはありますか?河野さんは現役で東大医学部に入学し、さらに在学中に司法試験に一発合格したことでTVでも多く取り上げられているので知っている人も多いと思います。

 意外にもこの本には「将来は医者になりたい」と思って東大医学部と受けたわけではなく「自分の偏差値で十分狙える」「入ったら家庭教師などのバイト代が高い」などのいわゆる俗っぽい理由で志望した と書かれています。そして入学後に医学の世界で人の命を救う方法に感銘を受けて、さらに大学で法学の視点から人を救う道を知ったそうです。そして「医療と司法の療法を学んで、難しい医療訴訟を扱える弁護士になりたい」という崇高な目標に変わったと記されています。

 僕は最初「パンフレットがかっこいい」「東京で一人暮らししたい」などの俗っぽい理由東工大を目指し始めました。しかし東工大という目標を意識し始めてからは東工大に関するあらゆるサイトを調べるようになり、「絶対にここで研究がしたい!」「この高専にはない制御工学に特化した学科へ進みたい!」という崇高な理由に変わりました。そして合格が決まってからはTOEICpythonの勉強・編入説明会の準備やこのようなブログの執筆などに多くの時間を使っています。編入を目指していなければこのようなことは絶対にやっていません。たとえ不合格だったとしてもその努力の過程は自分のとっての財産になると思っています。

 大学編入を目指す人は崇高な理由をもち、そうでない人は就職もしくは専攻科に行くというのが僕の高専の現状で、編入を目指すこと自体敷居が高いです。ボランティアに参加する全員が、崇高な理由をもっていることはないでしょう。たとえ動機が不純であっても「やらない偽善よりやる偽善」のように行動に写すこと自体に価値があると思っています。

 この文章は本に書いてある内容を引用しつつ、自分の考えや体験と伏せて書きました。この本は東工大志望を後押ししてくれた僕にとって唯一無二の本なので一度手に取ってほしいなと思っています。

  • PASSLAB 超戦略的勉強法 (1500円+税)

 「地方と都会の情報格差をなくしたい」という思いから生まれたPASSLAB初の著書です。最近発売されたので受験期には読んでいませんが、受験に対する正しい情報と戦略がしっかりと記されており、受験生には是非読んでほしいと思ったのでここに挙げました。

 2つの勉強法に関する本を挙げたのでどちらの方が良いの?と思う人もいるかもしれません。先に書いておいてなんですが、僕はこの"超戦略的勉強法"のほうをおすすめしたいと思います。理由のひとつは白黒だけのページがなく、途中に会話文が入っていて読みやすいからです。この手の本は図やグラフが入っていても白黒しかないので読む気が失せやすいですが、これはどのページも白黒+緑で構成されているので単純に読みやすいです。

 また内容の面で言うと4人の経験談が豊富に書かれていて、その中で良かった点と改善するべきだった点を分析して、受験生向けに正しい情報を伝えるという構成になっており、読んでいて飽きにくいと感じました。中でも第1章に書かれている東大不合格体験記(東大文一に1点差で不合格)は受験生が1度は目を通すべき内容だと思います。僕は東工大に合格してからこのような記事を書いていますが、もし不合格だったとしたら、おそらく書いてなかったと思います。不合格だった現実を受け止め、この先の受験生に向けて自身の体験・教訓を発信し続けているその人を本当に尊敬しています。

「この本があなたにとって”希望の光”になりますように」 これは宇佐見さんがこの本中に残している言葉です。地方から東大を目指す中で周りからは「おまえは無理」「浪人が前提」など言われ続けていた経験があるからこそ、そのような言葉をこの本に込めたのだと思っています。是非手に取って確かめてみてください。

終わりに

 どうでしたか?実はこれが1番最後に書いている記事なので「やっと書き終わった」という思いもあれば「意外と早かった」とも思っています。そしてなにより今までの記事を知り合いの人や同じ高専の後輩に見られるのは正直恥ずかしいなと思っています(笑)そして、僕はこれらの編入体験記に受験や勉強に関わるすべてを書き記したつもりです。まだ他に読んでない記事があったら目を通してくれると嬉しいです。

 最後は宇佐見さんの言葉を借りて終わりにしたいと思います。

 この編入体験記が編入を目指す全ての人にとって”希望の光”になりますように





追記

ここからは番外編なので気楽に読んでください。


不思議そうな顔でだるまさんが転んだに参加する子猫!

 猫です。僕はもともとゲームが好きで、YouTubeではゲーム実況ばかり見ている人間でした。そんな自分がこのチャンネルを見るようになったのは受験期に入ってからです。授業中は常に内職し、終わったら研究室にこもってひたすら勉強。そんな毎日を送っていた中で、あるとき開いたYouTubeのあなたへのおすすめにこの動画が出てきました。なんとなく動画を開きましたが...なんというか..すごく心に染みたんですよね(笑)

 受験期は気持ちが病むこともあると思います。僕はこのチャンネルでかなり癒やされていました。もともと犬派だったのですがこのチャンネルですっかり猫派になりました。犬派の人も是非見てみてください。


病院がイヤでめったに鳴かない猫が鳴き叫んじゃいました…

 猫です。もはや何も書くことはありません。かわいいので見てください。

自分が思う最も効率の良い勉強法

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始めに

 みなさんは"最も効率の良い勉強法"などについて考えたことはありますか?僕は今までの自分の経験や様々な本を読んで自分なりの答えが決まっているのでそれについても紹介したいと思います。良かったら参考にしてみてください。

目次

前提として

 まず編入の勉強では独学が必要になります。それまで全く触れたことのない学問を1から学んで、過去問が解けるところまで持って行くのは本当に大変で、気が遠くなるような道のりです。基礎的なところから何度もつまづき、そのたびに勉強を続けるモチベーションが奪われますが、そのようなときに大事だと思うのは自分がどの段階で分かっていないかを分析することです。

  1. 本質は分かっているが計算ミスをする
  2. 問題の本質部分の発想ができない
  3. そもそも何をすれば良いか分からない

 これを積分の問題で当てはめてみると

  1. 積分公式を知っていたが、別の部分で計算ミスをしたとき
  2. 積分公式は覚えてなかったが、それさえ分かれば解けたとき
  3. →そもそも積分公式を使って解くことに気づけてなかったとき

 積分の問題ではその公式を使いこなせるかが問われており、変数や数字を含む足し算・引き算はその問題の本質ではありません。

 何が言いたいのかというと、解けなかった原因を分析することはモチベーションの維持に大きく役立つと言うことです。

 勉強を始めたときに分からないことがあると「自分はこの科目は無理だ」「センスがない」など思ってしまいます。しかし、これは頭がいい・悪いとは関係なく、誰しも最初はそう感じるもので、いわゆる”頭のいい人”はこれを感じた上でも勉強をしているから出来ているだけです。「この科目は自分に合ってるな」「俺はこの科目のセンスあるわ」とか思って勉強してる人はなかなかいないと思います。では”頭のいい人”はどのようにして勉強のやる気をだしているのでしょうか。これは人それぞれ様々な方法があると思いますが、僕の場合を書いてみます。

 東工大は非化学系の学科でも化学があります。僕は高専1年のときに勉強して以来全く触れていなかったので上の3の状態からスタートしました。しかし、序盤は意味が分からなくてもしょうがないと思う反面、今から積み上げていけば1・2ヶ月後には多少理解できてるかもしれないと思って勉強をしていました。最初は無理と思っていても時間をかければ3だった問題は徐々に1か2に移動します。そして、やっぱり時間をかければできるんだと思えばそれは達成感に変わり、モチベーションの維持に繋がります。

 ”勉強の効率の良さ”というのは次に勉強するときのハードルをいかに低く出来るかにかかっていると思います。問題が分からない今の自分に失望せず、「今分からなくても1ヶ月後に理解できていればいいか」と一時的に楽観視することで前に進めていきました。

勉強法

 先ほどはメンタル的なところを中心に書きましたが、ここからは勉強法に注目したいと思います。まず僕が勉強において差がつくと思っていることは2つあります。

  • 解けなかった問題の対処法
  • 復習の仕方

解けなかった問題の対処法

分からないレベルに応じて書き込み

 みなさんはノートや参考書に書き込みをするタイプですか?しないタイプですか?僕は参考書に直接書き込みをしたり、付箋を貼りまくったりする人間で、それについて紹介したいと思います。

 まず、わからない問題に印をつけるときはどの程度分からないに応じて異なるマークを付けていました。

  • △ 軽い計算ミス・次は解けそうなとき
  • ✕ 普通に分からなかったけど、答えを見たら理解できたとき
  • * 全然解けない&答えを見ても意味不明

 どの問題がどのくらい理解できていないかが一目で把握できます。先生には*の問題を優先的に質問していました。また2週目や3週目に改めてマークを付けてどのくらい理解が深まったかというのも把握するようにしていました。

 そしてそれに加えて解法の気づきやヒントを書き込むこともよくやっていました。例えば上の*の問題を復習したときに記憶が定着してないことが多く、2周目→3周目をしても*が続くことがよくあります。

 当たり前ですがテストにはヒントが書いてないので、問題は1番難しい状態で出されます。そのレベルをいきなり練習段階で始めてしまい、その問題が分からないというのはなんら不思議ではないです。みなさんも自転車に乗る練習をするときには、まず補助輪をつけてから練習したと思います。いきなり補助輪をつけずに乗った結果「やっぱり自分には向いてない」「どうせ無理だわ」と言って諦めた人はいないでしょう。

 最初から完璧にしようとせずに少しずつ進めていけば、結局は出来るようになります。前提としてでも書きましたが、いかにして自分に勉強させることができるかが大事です。

復習の仕方

解けた問題は放置し間違えた問題を優先

 例えばある問題を初見で完璧に解けたとき、みなさんはこの問題をどのくらいの頻度で復習しますか?僕の場合は1ヶ月前から過去問を始めて初見で解けた問題は受験1週間前まで放置していました。1度完璧に解けた問題でも、時間がたてば忘れているかもしれないと思って復習する人が多いかもしれません。僕はそれよりも優先して×や*の問題を8割近くまで解けるようになるために時間を使っていました。しかし、全部の解けた問題をこのように復習しない訳ではなく、マークに応じて復習する頻度を変えていました。

 このように復習すると1周あたりの時間が大幅に短縮されます。さらに回数をこなすほど間違える問題が減り、1周にかかる時間も減るのでモチベーションが上がります。是非問題に優先順位をつけて取り組んでほしいと思っています。                               

まとめ

 どうでしたか?あくまで僕の性格に合った勉強法ですが、何かしら試してほしいと思っています。書き込みをたくさんしていると書きましたが、もともとは全然やっていませんでした。しかし、九大を目指す友人がめちゃくちゃ書き込みをするタイプで、試しにやってみたところかなり合っていたので、自分の勉強法に取り入れました。今更勉強のスタイルを変える余裕がない人もいるかもしれませんが「急がずに、でも休まずに」コツコツ頑張ってください。

 

筆記試験・面接の出来について

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はじめに

 この記事では試験の出来について書きたいと思います。当日の試験問題・面接内容等の公開は禁止されているので、あくまでも概要を書きたいと思います。

目次

数学

 東工大の数学は傾向がはっきりしているので対策がしやすく、問題の難易度が易しめなので、年によっては10割狙える教科だと思います。行列・極値問題・最大値と最小値の問題・重積分の出題が多い傾向にあります。行列は場合分けの問題が好んで出題されるので、とにかく計算量が多いです。問題の難易度が易しめというのは計算量の面では大変なものが多いですが、解法の発想という面では旧帝と比べると難しくはないと思っているのでそのように表現しました。

試験当日

 全体を通して手応えは9割で、ワンチャン10割かなっていう感じです。概ね傾向通りだと感じました。この調子で物理もやってやろうと思っていました。

物理

 物理は毎年力学・電磁気は固定で年によって熱力学か波動学が出されます。ここ最近は5・6年に1回の周期で波動学が出る感じです。前回は大学範囲からの出題だったのでもう高校範囲は出ないだろうと考え、波動方程式を中心に勉強しました。力学・電磁気は傾向が分かりづらいですが、問題集で過去問と似たような問題に付箋を貼ってその周辺を中心に勉強しました。

試験当日

 深く勉強していなかった分野が出題され、とにかく焦りました。予想外の部分が多く苦戦しましたが6割くらいは到達してほしいなという感じです。

化学

 全部で6問あり、物理化学・有機化学が2問ずつであとの2問が年によって理論化学か無機化学が出題されるという傾向があります。

 東工大の化学はこの4つの分野の広大な範囲から出題され非化学系の学科にとっては鬼門です。しかし、過去問中心の勉強で5.6割は狙える教科だと思います。理由は問題内容が単に知ってるかどうかで答えられる問題が多く、数学や物理などと比べて努力量が点数に比例しやすいからです。僕は最初メタンとエタンの違いすら分かりませんでしたが、3ヶ月弱後の入試までには化学は7割くらいとれそうだと思えるくらいになりました。化学をやってない人間にとってはかなりきついですが、諦めずに進めましょう。  

試験当日

 過去問と似た問題はしっかり解けましたが、全く勉強していない分野に関しては勘で解きました。難易度は例年くらいだと思います。手応えは6割くらいです。

英語

 東工大の英語は単語のレベルが高いうえに文章がめちゃくちゃ長いです。それに加えて大量の内容一致問題が出題されるので問いの周辺だけ読めば解ける訳ではありません。とにかく長い文章をすばやく読みつつ、内容もある程度把握する必要があるので、高得点は厳しい教科だと思います。そもそも高専生は英語に弱いのでなおさら大変ですが、編入試験の前にあらかじめTOEICを頑張っていた人が多くいるので、そのような人たちと差がつかないようにしっかり対策しましょう。

試験当日

 今回の長文のテーマは比較的わかりやすい方だったと思いますが、全て解き終わったのは時間ギリギリだったので、手応えは6割ぐらいだと感じました。  

面接

 よくある質問が多いと感じました。事前に用意していない質問もありましたが、しっかり自分の考えを伝えることが出来たので、手応えはかなりありました。

さいごに

 テストの1ヶ月前から過去問を始めましたが、なかなか解けずにかなり焦っていました。しかし、1週間前くらいになると「これだけ勉強して解けなかったらしょうがない」と思うようになり、試験当日は自分でも驚くぐらい冷静でした。また当日の試験問題ではもちろん分からない問題もありましたが、それ以上に自分がテスト問題にある程度対応できていることにびっくりしました。

 受験勉強中はどうしても不安な気持ちになってしまいますが、今の頑張りが受験当日の自分を助けてくれます。試験問題を解く中で、受験は自分の努力がしっかり反映されるものだと感じました。今はまだきついと思いますが、頑張ってください。

 

   

 

受験勉強の内容・使用参考書

はじめに

 みなさんこんにちは。このたび東工大 工学院 システム制御系に合格しました。ここでは僕が行った受験勉強や参考書について書きたいと思います。

主な方針

 僕の受験勉強のスタートは5年の4月からだったので、ある程度範囲を絞って勉強するようにしました。この時期からだと他の受験生よりも遅れが大きく、焦って演習問題ばかりしたくなりました。しかし、そこを我慢して理解することを重点的にやり、参考書は少ない冊数を深くやるように意識しました。

目次

数学

使用参考書等

編入数学徹底研究: 頻出問題と過去問題の演習

編入数学徹底研究: 頻出問題と過去問題の演習

編入数学過去問特訓: 入試問題による徹底演習

編入数学過去問特訓: 入試問題による徹底演習

 実はこれらの出版社である聖文新社が今年の7月頃に倒産してしまい、今は入手困難になっています。徹底研究から始めましたが、思ったよりも大変だったので、余裕がある人は青色の編入数学入門をやってみてください。(これも同じ出版社ですが)

  • ヨビノリさんのチャンネル

www.youtube.com

 全理系学生の救世主です。僕ははなおでんがんチャンネルを見ていたので受験前から知っていましたが、受験勉強を始めてから、改めてこのチャンネルのありがたさに気づきました。  

4月

 このときは九大を目指していたのでとにかく数学中心で勉強しました。まず使ったのは編入数学徹底研究で、九大の出題範囲は複素関数フーリエなど含めてこの本の全範囲に該当するので全章の例題と類題をやりました。しかし、普通に難しかったので履修していた単元でも全然わかりませんでした。様々なWeb・YouTubeを調べてなんとか理解するという感じです。

5月

 1ヶ月がたってなんとか強引に問題は解けるようになりましたが、まだ定着は全然できていませんでした。この時期からより多くの問題を解いて慣れようと思い、編入数学過去問特訓を始めました。進め方は以下の通りです。

  • 1週目ー各章の例題だけ
  • 2週目ーA問題+例題で間違えた問題
  • 3週目ーB問題+A問題の間違えた問題
  • 4週目ーC問題以外の間違えた問題

 東工大以外のC問題は全くやらず、また7章の確率からは結局例題しか解きませんでした。この本も難しかったので、多少強引に進めました。

6月と7月

 この時期に九大受験を諦めて東工大に絞ることを決めたので、数学だけをやってる場合ではないと思い、過去問特訓の時間を大幅に減らしました。6月末には専攻科試験で数学があったので専攻科の過去問を繰り返し解いていました。

8月

 過去問だけに絞って10年分を繰り返し解きました。最初の方は忘れている部分もあったのでそこは上2つの参考書で思い出したり、理解し直したりしました。東工大の数学は4教科の中で最も簡単なので多くの勉強時間は他の教科にあてていました。

物理

使用参考書等

  • リードα

 学校指定の問題集で高校範囲はこれを使って思い出していました。

  • 演習 力学

 比較的わかりやすく、東工大の過去問と同じような問題が多々あるのでおすすめです。

  • 大学入試 漆原晃 の物理基礎・物理[電磁気編]

大学入試 漆原晃の 物理基礎・物理[電磁気編]が面白いほどわかる本

大学入試 漆原晃の 物理基礎・物理[電磁気編]が面白いほどわかる本

  • 作者:漆原 晃
  • 発売日: 2014/01/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 高校範囲から理解したい人向けのかなり易しめの参考書で、表紙だけ見るとあれですが内容はめちゃくちゃわかりやすいです。電磁気学はここから始めました。

電磁気学キャンパス・ゼミ 改訂7

電磁気学キャンパス・ゼミ 改訂7

 大学範囲で微積が絡んだ電磁気学を理解するにはとても良い参考書だと思います。しかし、東工大の物理では直接マクスウェル方程式を使う問題はほとんどないので、あくまで考え方を参考にしていました。

 同じ系列の本で基礎 物理学演習という本がありますが、これは解説が少なかったのでこの本をやりました。問題数が多いので過去問と似た問題に絞ってやりました。

  • 演習しよう 振動・波動

 過去に1度出題された大学範囲の波動学の問題はこれをやってしっかり理解しました。加えて波動方程式の部分を演習しました。

  • 同じくヨビノリさんのチャンネル

 熱力学に関しては唯一専門で扱っていたので何も買いませんでしたが、ギブスエネルギーなどに関してはやっていなかったので動画を見て理解しました。  

5月

 4月中は数学と英語に絞っていたので何もやっていません。5月はリードαと大学入試 漆原晃 の物理基礎・物理[電磁気編]をやって、高校範囲からしっかり理解するようにしました。

6月

 ここから大学範囲に移ろうと演習 力学と電磁気学演習[新訂版]を購入しましたが、全然頭に入りませんでした。力学は考え方は高校範囲と似ていても、大学範囲の文字表記に慣れていなかったのでとても難しく感じていました。電磁気に関しては高校範囲とは全く別物で、概念からわかりませんでした。結果的に6月中は他の科目に専念していました。

7月

 この時期からやっと真面目に解き始めました。力学はヨビノリさんのユーチューブを参考にして、電磁気は電気科の人とグループラインを作ってもらい、分からないところを質問していました。また演習 力学は東工大の過去問で出た問題の例題と類題をやり、電磁気は4.8.9章を除いた例題と過去問と似ている問題の類題を解きました。またマセマの電磁気学も使って概要を理解していました。

8月

 過去問を始めました。数学での勉強法と違うのは参考書の方も終盤まで勉強したことです。東工大の物理は傾向がバラバラだったので、7月にやった範囲も何周かやっていました。また波動学の参考書で前の過去問で出た波動方程式の問題とよく似たところをやりました。

化学

使用参考書

マクマリー有機化学概説 第6版

マクマリー有機化学概説 第6版

 マクマリーと名がつく参考書は様々ありますが、これは概説なので化学をやってない人におすすめです。これだけで過去問の問題はある程度分かるので足りないところはネットで調べたり、先生に聞いたりしていました。化学は理論化学から始める人が多いですが、この本の序盤は混成軌道や電気陰性度など理論化学に通じることも書いてあるので一石二鳥だと感じました。

  • 単位が取れる 物理化学ノート

単位が取れる物理化学ノート (KS単位が取れるシリーズ)

単位が取れる物理化学ノート (KS単位が取れるシリーズ)

  • 作者:吉田 隆弘
  • 発売日: 2014/11/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 熱力学の化学的な面で分からないところをこれを見て参考にしていました。

  • 橋爪のこれだけで合格!理論化学25題

橋爪のこれだけで合格!理論化学25題 改訂版

橋爪のこれだけで合格!理論化学25題 改訂版

  • 作者:橋爪健作
  • 発売日: 2015/09/15
  • メディア: 単行本

 過去問で出てきた立方格子や濃度の問題などを理解するために使いました。

橋爪のこれだけで合格!無機化学15題 改訂版

橋爪のこれだけで合格!無機化学15題 改訂版

  • 作者:橋爪健作
  • 発売日: 2015/09/15
  • メディア: 単行本

 ここ数年で元素に関する問題がよく出題されていたので、それの対策のために買いました。各族ごとにわかりやすくまとめられています。

  • ヨビノリさんのチャンネル

 混成軌道やギブスエネルギーなど、化学の分野もわかりやすい動画が上がっています。

6月

 まずは毎年でる有機化学から始めました。有機化学は単に公式を使えば解けるようなものではなく、特有のメカニズムを理解する必要があり時間がかかりそうだと思ったからです。マクマリーの問題は解かずにざっと読んでいました。

7月

 この時期から2週目で例題と類題をやり始めました。しかし、1週読んだだけでは全く頭に入らなかったので分からないところがたくさんあったのでネットで調べたり、化学の先生に聞いたりしました。また、東工大でよく問われる分野は章末問題も解くようにしました。

8月

 有機化学はある程度過去問が分かるようになったので他の化学を始めました。いまから有機化学のように参考書から始めても中途半端になるので、過去問10年分に絞って繰り返しやりました。その際に分からないところは物理化学ノート・橋爪シリーズの2冊を参考にして理解していました。

英語

使用参考書等

  • DUO 3.0

DUO 3.0

DUO 3.0

 別売りの音声CDを購入して、普段からシャドーイング・聞き流しをやっていました。これは何か1つに特化するのではなく、全体的に能力を底上げするような参考書で、継続して初めて効果を実感できるものだと思っています。

  • 英文読解入門 基礎はここだ!

 中学レベルの文法から始まり、分かっているようで説明できないような部分も含めて詳しく説明してあります。

  • ポレポレ英文読解プロセス50

 実際の入試問題の一部を抜粋し細かく丁寧に解説されています。しかし、入門を先にやってから始めたもののかなり難しかったです。東工大は文法面ではそこまで難しくないので「こうゆう問題もあるのか」くらいでやると良いと思います。

  • 英単語ターゲット1900

英単語ターゲット1900 6訂版 (大学JUKEN新書)

英単語ターゲット1900 6訂版 (大学JUKEN新書)

  • 発売日: 2020/01/30
  • メディア: 新書

 DUOだけでは語彙が足りなかったので追加でやりました。最初は本を使っていましたがほとんど使わず、YouTubeで発見したアプリ版を使った勉強法をやっていました。アプリ版は有料コンテンツ(1回きり860円)ですが、かなり効率が良いと思うのでおすすめします。下にその動画を張っておきます。この人は偏差値38の不良高校から1年宅浪して阪大に受かった方で、学校や受験での壮絶なエピソードを話している動画もあるので、息抜きにそちらも見てみてください。


  • 英熟語ターゲット1000

英熟語ターゲット1000 4訂版(大学JUKEN新書)

英熟語ターゲット1000 4訂版(大学JUKEN新書)

 本は購入せずにアプリ版をひたすらやりました。英熟語は知っている単語で構成されていることが多いので、すでに分かっているように感じてしまいますが、全くイメージと違う意味も多いのでしっかりやりましょう。

  • ドラゴンイングリッシュ 基本英文100

ドラゴン・イングリッシュ基本英文100

ドラゴン・イングリッシュ基本英文100

  • 作者:竹岡 広信
  • 発売日: 2005/09/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 英作文はその場で考えて文を作るとミスが多くなるので、あらかじめこの本の例文を覚えて、これを基準に文を作ることが出来るようになればかなりのミスを減せます。DUOと同様に音声CD (別売りではない) があるので早めから繰り返しやるようにしましょう。

  • 大矢 英作文 講義の実況中継

 東工大の英作文は自分の意見や経験を書かせるのでそれに対応できるように購入しました。この本は英作文だけでなく文法の話も多く書かれているのでそれの復習もできる点が良いと思っています。

東工大の英語15カ年[第4版] (難関校過去問シリーズ)

東工大の英語15カ年[第4版] (難関校過去問シリーズ)

  • 作者:山中 英樹
  • 発売日: 2016/03/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 編入試験の英語は赤本とよく似ているので、これを過去問としてやっていました。

  • PASSLABさんのチャンネル

www.youtube.com

 これは大学入試を控える高校生に向けてのものですが、英語に関しては編入試験でも同様に活かせます。参考書では文法・英単語・英熟語・英作文を学びましたが、それだけで東工大の英語を時間内にしっかり読めるようにはなりません。なぜなら長文は人が書いたもので、1つのテーマについてあらすじ・具体例・考察・筆者の主張など一連の流れがあり、それを理解した上で読む必要があるからです。

 本番で1文1文を正確に読んでいくと時間が全く足りません。どの文をざっと読み流すか (速読) 正確に読むか (精読) を使い分けることが大事です。こういったことを書いている参考書はかなり少ないと思っています。さらにこのチャンネルは長文読解だけでなく、英単語・文法・英作文などに関する動画もあり、利用しない手はないと思うので是非使ってみてください。

4月

 まずDUO 3.0から始めました。この時点で僕は目的語と補語の違いすら知らなかったので、この本の例文を通してまずは中学レベルの文法から思い出すようにしました。また分からないところは調べて付箋を貼って、音読するときにすぐに思い出せるようにしていました。

5月

 この時期からDUOを1日1週するようにしました。またポレポレを購入しやろうとしましたが、これはかなり難しかったのでその前に同じ作者の基礎構文読解を始めました。これをやったあと、ポレポレを始めました。

6月

 ある程度文法を勉強しましたが、ここで過去問を見ても英単語がわからず長文が読めないことに気づきました。英単語は文法を学ぶ過程で自然と頭に入ると思って放置していましたが、この時期かターゲット1900を始めて語彙を増やしていきました。

7月

 文法・英単語と来てここから英作文の練習を始めました。ドラゴンイングリッシュと英作文 講義の実況中継の2冊を平行して進めました。実況中継の方は文法の話ともつながっているので、5月にやった基礎構文読解の復習のような感じでとても良かったです。またこの時期から他に使う参考書が増え始めたので、DUOの毎日1週はやらなくなりました。あとポレポレの2週目をざっとやって、5月の内容を思い出していました。

8月

 東工大の赤本を用いて、長文読解の練習を始めました。そして間違えた問題を分析し、自分には今何が足りてないかを考え、適時前にやった参考書を復習していました。  

最後に

 かなり長くなりましたが、いかがだったでしょうか。多くの編入体験記がありますがYouTubeのことまで詳細に書く人は僕ぐらいしかいないと思います。YouTubeは使い方次第で大きく味方につけることができるので有効に使ってみてください。